みなさん!暖かい日が続きますね。
月末最終土曜日の夜は!オージャスで映画を
今月は・・・
【仕立て屋の恋】
監督: パトリス・ルコント
出演: ミシェル・ブラン/サンドリーヌ・ボネール/リュック・テュイリエ
1989年フランス映画 上映時間80分
5/26(土)開演19:00 入場無料!
(5分前にはご来場ください)
開場:ヨガオージャス武蔵小杉スタジオ
食べ物飲み物持込OK! 会員様以外もOK!
お友達やご家族もご一緒に楽しみましょう!!!
『片思いのすすめ』大人になった今だからこそ、
その至福の時間を堪能したい。
JITTERIN’JINN の名曲『アニー』のような、この道であの娘に会えるかも?
とか、やきもきしてた子供時代が皆さんにもお有りかと思いますが。今月ご紹介する『仕立て屋の恋 』ルコントの89年の作品です。サスペンス・コメディー・アクションまで幅広い作品で知られ今やフランスを代表する職人肌の名匠として数多くのヒット作を世に送り出しています。
日本での始めてのヒット作は『髪結いの亭主』ですが、その前年に公開されたこの作品を僕は是非お勧めしたい。
東京では人が多すぎで、最寄り駅でさえ素敵と思った人に2度と巡り合わないことは多々ありますが、主人公のお目当ての女性は向かいの部屋に住んで居ます。この向かいの部屋というシチュエーション!外国映画ではよくありますが、日本では都市計画上の関係かまずありませんね(憧れます!)。兎に角この禿げ頭、思わずキモッ!と思われるかも知れませんが、彼の純粋で美しい愛の形に最後は切なくなる筈です。
僕の思いは彼⼥女へ届くのか、、、
これを観ずに死ねるか!
こんな顔でおねだりされたら断れません!
いつもこっそり見守ってます。
この穏やかで吸い込まれそうな瞳!
以下は
【あらすじ】※ネタバレ注意!
【女性殺害事件発生。】
空き地で若い女性(22歳のピエレット)の死体が見つかり、殺人事件として捜査が開始された。その事件の容疑者として、仕立て屋を営む中年男・イールの名前が挙がった。彼は神経質な性格で、人付き合いも全くなく、周囲からも嫌われていたのだった。仕事柄いつもスーツ姿のイール。着ているコートや背丈が逃走した男と似ていることや、何よりも過去にイールはわいせつ罪で捕まっている。刑事は彼が犯人だと睨んだのでした。
そんな孤独なイールの唯一の楽しみは、アパートの中庭を挟んだ向かい側に住む若く美しい娘・アリスの部屋を覗くことだった。カーテンの無いアリスの部屋は丸見えで、夜に部屋の灯を消して、ただただ静かに彼女を見つめていました。しかしアリスにはエミールという婚約者がいます。もちろんイールは彼女が越して来てからずっと部屋を覗いていたのでその事は承知の上です。アリスはエミールと早く結婚したいと望んでいますが、彼はいつも曖昧な態度でした。
ある日イールは刑事に逃走シーンを再現させられます。アパートの周りには住人達が集まり、イールに冷ややかな視線が浴びせます。目撃者のタクシー運転手は、結局イールが犯人だとは断言できませんでした。
その夜部屋にいたアリスは稲妻が光り雷鳴が響き渡った瞬間、灯りの消えた向かいの部屋の窓にイールの顔が浮かび上がったのを目にし驚きますが、その瞬間ある考えが浮かぶのでした。
【アリスは仕立て屋の存在に気づく】
数日後イールの帰宅を待ち伏せたアリスは、故意に階段からトマトを落として彼に近づきます。そしてトマトを拾う彼女の姿に動揺するイールでしたが、その場から逃げ去るように部屋の扉を閉じました。その日アリスはイールに見せつけるかのように、エミールと行為に及ぶのでした。
娼館を訪れたイールは、娼婦に鳩に餌をやる老女の話をした。老女は笑顔で毒入の餌をやっていたという話だった。娼婦は陰惨な話を止めようとするが、仕立て屋は話に来るだけで女との関係は持たなかった。
数日後アリスはこちらを覗くイールを見つめ返した後、彼の部屋を再び訪ねます。部屋に招いてくれたイールにあることを確認したいアリスは、“警察には通報しなかった”と鎌をかけてきました。イールの反応をみて安心したアリスは態度を変え「あなたは優しそう」と言って誘惑するのです。イールは狂ったように叫び声をあげアリスを部屋から追い出しますが、その後、彼女が腰かけたベッドに顔を埋め残り香を嗅ぎました。イールはアリスを一目見た時から、ずっと彼女に囚われていたのでした。
実は殺人事件の犯人はアリスの彼であるエミールで、しかもそれはアリスの部屋で実行されたのでした。そしてその現場も目撃していたイールですが、その場にいたアリスも共犯になってしまうため、警察には通報しなかったのです。
イールが犯人ではないと察した刑事は、アリスやエミールの身辺調査のため、しつこくイールに付きまといます。帰宅したイールに玄関の床に置手紙があると指摘した刑事は「知的で可愛い娘だ」と言い残し、去って行きました。アリスからの手紙は“日曜にお会いしたい”というもので、それを読んだイールはハンカチを握りしめながら幸せな気持ちで短い眠りにつきます。
【アリスからの誘い】
アリスとの約束の日曜日。先に待ち合わせ場所に着いたイールは、遠くからアリスを眺め、遅れて来た振りをしました。食事をしながらイールの退屈な話に我慢して耳を傾けるアリス。いよいよ探るようにエミールの名前を出します。その問いに「婚約者の存在は知っている」とだけ答えたイールは直ぐに話題を変え、スイス・ローザンヌに永住するつもりだと汽車の切符を2枚見せると、珍しく心を弾ませました。
店を出るとアリスがイールに身を近づけます。しかし僕を愛していないとイールは拒みます。それでもキスをしてきたアリスに対し、イールはいよいよ事件のことを切りだしました。「血の付いたコートを隠し、血を拭くためにエミールに起こされた君を見ていた」と…。
イールは通い続けている娼館へアリスを連れて行き、娼婦との過程を説明すると、それは過去の話で今は違うと語ります。戸惑うアリスにイールは「娼婦と寝ない訳は君に恋をしたから。愛している君を失いたくなくて、警察に通報しなかった」と彼女への想いを告げました。
イールの本当の気持ちを確信したアリスは彼の気持ちを利用しようとします。エミールらとのボクシング観戦の日に、アリスはエミールに隠れてイールもその場に同行させました。観戦中エミールが友人と共にその場を離れると、イールはアリスのシャツやスカートの中に手を入れて彼女を弄りました。一瞬恍惚の表情を浮かべたアリスでした。警察がエミールを探しに会場にやってきました。それに気付きエミールは素早く裏口から逃げ出します。
【アリスへの最後の想い】
イールは取り残されて塞ぎ込むアリスを見つけます。そして必死に自分の愛を伝えるのです。彼は卑怯だ、私なら君を守ってあげる。君が僕を受け入れてくれるまでずっと待ち続ける。人生を君に捧げると。そしてイールは私と逃げようと言って、ローザンヌ行きの汽車の切符をアリスに渡すのでした。
帰り道でイールは刑事に尋問されます。激しく問い詰める刑事、それでも口を割りませんでした。帰宅したイールは刑事宛てに、ある場所の鍵を送ります。
そして出発の日。イールは飼っていたネズミを餌と共に線路脇に放ち、旅立つ覚悟を決めます。やがて汽車の出発時間になりますが、いくら待ち続けてもアリスは来ませんでした。イールが虚しく部屋に戻ると、刑事とアリスがいました。アリスは隠し持っていたピエレットのバッグをイールの部屋に移し、罪を擦り付け通報したのでした。刑事に問われても何も答えなかったイールは、「君を少しも恨んでいない。とても切ないだけ。君は喜びをくれた」とアリスに言い残し、刑事を振り払い屋上へ逃げました。アパートの屋根を走ったイールは足を滑らせ落下し、僅かな突起を掴みぶら下がりますが、やがて力尽きます。
アリスは落ちていくイールを彼の部屋の窓からただ見つめました。イールの手にはアリスの香りがするハンカチが握りしめられていました。
イールからコインロッカーの鍵が届いた刑事が中を開けると、事件の日エミールが捨て、イールが拾ったピエレットの血がついたコートが入れられていました。添えられた手紙には、こう綴られていました。「これを読む頃には自分とアリスは国外にいます。彼女に罪はないので、彼女の無実を守るために旅立ちます。刑事さんなら2人の幸せを願ってくれると信じます」と・・・