【3/31】追悼 大杉漣 第13回 オージャス映画上映会 

今月の上映作品は

追悼 大杉漣 北野作品初期の代表作。

~ 運命的な出会い、太田省吾の舞台のその先に続く道・・・ ~

作品名:ソナチネ
監督: 北野武 1993年日本映画 上映時間93分
出演: ビートたけし/国舞亜矢/大杉漣/勝村政信/寺島進
音楽: 久石譲

珍しく、僕のLINEに彼からのメッセージが届いた。彼は地元の同級生で僕は音楽、彼は役者、それぞれの夢を持って東京にやってきた。暇さえあれば一緒に映画館に⾏行っては沢山議論したり、たまには女の子をナンパしたり・・・

そんな僕らの東京一年目に一緒に観た映画。
彼は大杉漣と一度一緒の現場に居合わせたから、一映画ファンの僕より尚更悲しかったんだろう。
そんな思いを抱かせるような紛れもなく90年代以降の日本映画を支えた代表的な役者だったことは間違いない。

当時ソナチネ観て直ぐに、北野武の映画をもっと知る為に『その男、凶暴につき』『あの夏、いちばん静かな海。』を当時住んでた南長崎の24hレンタルビデオ屋(小さいけどマニアックな作品が豊富で途切れなく毎週借りてた。無愛想なマスターと、これまたまったく接客業に向かない金髪のバンドマンが居た。この店の話はまたどこかで・・・)で借りて観た。

そして大杉漣をもっと知る為に高橋伴明や滝田洋二郎という今では日本を代表する巨匠が若かりし頃に活躍したピンク映画の特集などで、その時代の活動を追いかけて、その頃、寺山修司、唐十郎とかのアングラ芝居も興味あって調べてたら、太田省吾主宰の転形劇場って劇団の沈黙劇が凄いって聞いて、生で観たかったけどもう解散してるから諦めて、映像でどうにか観れないかと探し回って、やっと代表作「水の駅」を観ることが出来て、北野映画の静寂に大杉漣という役者が、ぴったりとはまった理由に合点が行った。

それでは皆様と一緒にこの映画を観ながらささやかな追悼イベントになればと思います。
ご参加お待ちしております。

これを観ずに死ねるか!

この映画の成功で大杉漣は日本映画になくてはならない存在となる

チャップリン/ジャン・ルノアール/オーソン・ウェルズ/ウディ・アレンそして北野武

北野映画で忘れてならないもうひとりが寺島進!

映画監督にとって女優は特別なもの。特に作家性のある監督ならなお更!

人が変わっても、共通する雰囲気を持った女優たち。

この作品の批評はいつか別の機会に・・・

 

以下は
【あらすじ】※ネタバレ注意!

指定暴力団北島組の傘下である村川組の組長村川は、トラブルを起こした男をクレーンに吊り下げて、東京湾に沈めていた。北島組からの待遇に不満で、毎日上からの指示に従うだけ、そんな毎日に徒労感を覚えている村川は、子分のケンに「ヤクザ疲れちゃったなあ」と吐露する。
そんなある日、北島組の友好組である中松組が、沖縄で抗争を開始する。相手は武闘派やくざと名を馳せる阿南組だったが、村川は北島組から本格的な抗争にはならないので、援軍として行ってほしいと頼まれる。つい先日、北海道の抗争で若い組員を3人亡くしたばかりの村川は躊躇いを覚えるが、親の命令に逆らえず、渋々重い腰を上げて沖縄へと赴きます。
その後、村川は犬猿の仲である幹部の高橋をトイレに誘導し、気絶するまで殴りつけます。

村川組が沖縄の中松組に着き腰掛ける暇もなく、事務所に銃弾が打ち込まれます。中松組の組員によると、村川組がやってきたことで阿南組の関係が悪化し、手打ちがあるという話も流れてしまったと、さらに、最悪なことに事務所に爆弾を仕掛けられ、村川組と中松組の組員の多くが死亡します。
2組は瞬く間に窮地に追い込まれ、村川は組の生き残りを東京に帰します。残された仲間は村川組の片桐とケン、中松組の上地と良二、そして村上本人の5名でした。彼らは海岸沿いの空き家に潜伏する準備を整え、改めて中松組の様子を見ることにします。
ある夜、浜辺を歩いていた村川は、女が強姦されている現場に出くわします。村川が男を銃殺します。その女は幸という名前で、彼女は村川のことを気に入り、それ以来行動を共にするようになります。

潜伏中の沖縄での生活は、抗争中であることを忘れるほどのんびりしていました。村川以外は全員アロハシャツを着用し、頭に乗せた空き缶を銃で撃ったり、砂浜の上での相撲、実弾を交えた花火大会、果ては落とし穴を掘ったりなどして、まるで来るべき現実から逃避するようにはしゃいでいた。
村川と釣りにやってきた幸は、着ていたTシャツを脱ぎ捨てて村川を誘惑します。それを見て村川は、「おっぱい見せちゃうなんてすごいな」と感心し、幸は無邪気な笑顔を返します。
村川たちはもうすぐ東京に帰ろうと考えて、浜辺でフリスビーをして遊んでいました。すると、突然目の前に現れた釣り人風の男にケンが射殺されます。釣り人は村川組を抹殺するために雇われた殺し屋で、村川と幸は呆然とします。村川は中松組の組長が手打ちにするのを待っていたのですが、組長はこの件から離れるために引退しており、その後殺害されます。

 

村川は仲間を連れて復讐に向かいます。ホテルのエレベーター内で争った末、殺し屋を殺害しますが、片桐が射殺されます。村川は真相を確かめるために高橋を拉致し、拷問しながら話を聞き出します。
一連の出来事は村川組を疎ましく思っていた北島組による罠だったのです。友好組であった阿南組に、村川を殺したらシマを渡すという取り決めがなされていました。村川と良二は、車を爆発させて高橋を殺害します。
村川は襲撃に向かう前、「また帰ってくる?」と幸に尋ねられます。村川は「もしかして」と答え、幸は村川が持っていたマシンガンを手に取り、海に向かって発砲します。
村川はマシンガンを持って阿南組が集まるホテルにやってきます。良二が部屋を停電した隙に、村川は阿南組を皆殺しにします。
目的を遂行した村川は、車内で拳銃自殺を図ります。村川は幸の元へ帰ることは出来ませんでした。