【3/30】第24回OJAS映画上映会 第91回アカデミー賞企画『愛しのローズマリー』

『グリーン・ブック』アカデミー賞受賞を祝ってフェアリー監督の分岐点となった重要な作品をご紹介。

『愛しのローズマリー』

2001年アメリカ映画 上映時間113分
監督・脚本・製作:ファレリー兄弟
音楽:アイヴィ
撮影:ラッセル・カーペンター
出演:ジャック・ブラック/グウィネス・パルトロー/ジェイソン・アレクサンダー/スーザン・ウォード/レネ・カービー/ジョー・ヴィテレリ/アンソニー・ロビンズ/ ジル・クリスティーン・フィッツジェラルド/ゼン・ゲスナー

3/30(土)開演19:00 入場無料!(5分前にはご来場ください)

開場:ヨガオージャス武蔵小杉スタジオ

食べ物飲み物持込OK! 会員様以外もOK!
お友達やご家族もご一緒に楽しみましょう!!!
オージャス初めての方もお申込み可能です。

2019年のアカデミー賞の下馬評として一番注目されていたのは

『ROMA/ローマ』

理由としてノミネート数も一番多かったし。しかしこの作品は全てに於いて、資本から製作者に至るまで非ハリウッド作品で、しかも劇場公開作品ではなく「Netflix」で配信と言う点もあり、これが受賞したらアカデミー賞の歴史において革新的な出来事になったんですが、結果として作品賞は逃したもの監督賞を始め3部門を受賞しました。
映画は社会を映す鏡ですから、人種やマイノリティーの問題など、現代が抱える複雑なテーマの作品が多かった。
評論家の町山智浩は『グリーン・ブック』を日本に置き換えると

「非常に差別的な右翼のオヤジがヤクザに頼まれて、それでもって朝鮮・韓国の血が流れている在日の演歌歌手かなんかをツアーに連れていくみたいな話」

と上手い具合に表現してます。この作品の監督であるピーター・ファレリー(そのキャリアの殆どは弟のボビーと共作)は一貫して過激で馬鹿馬鹿しい愛すべきコメディーを撮っている。そして忘れてはならない重要な特徴として、本物の障害者を障害者の役で必ず登場させ、悪人としても善人としても描くこと。それに対し批判も多いが、僕としては彼等にはハンディキャップがあるだけで、同じ社会の共同体の仲間として平等に扱ってるのだと思う。

彼らは『ジム・キャリーはMr.ダマー』で監督デビューし『メリーに首ったけ』のヒットで主演のキャメロン・ディアスはその人気を不動のものにしました。過激なコメディ路線から今のロマンチックコメディ路線へと転換する切っ掛けとなったのが今回ご紹介する作品です。

これを観ずに死ねるか!


一番可愛い頃のグウィネス!
催眠術にかけられた状態ではこう見えます!(実際はこちらですが)

そして特殊メイクで100キロ超えのグウィネス・パルトローがこちら

これがジャック・ブラックの初主演作品。ファレリー監督は新人にとって幸運の女神だ!

以下は
【あらすじ】※ネタバレ注意!

< 父の遺言 >

主人公のハルが9歳の時、彼の父親は死の病のと闘い失いかける意識の中で、息子に最後の言葉を遺した。

その遺言とは

1.この先、何をするにも決して普通でいいやと思ってはいけない
2.つまらん女と付き合って満足するな
3.とびきりの美女をものにしろ、セクシーな若い女性こそ、この世の全てだ

そんな軽薄な遺言はハルのトラウマとなり、彼はは女性を外見でのみ判断する大人の男へと成長したのだった。

現在の彼は投資信託銀行に勤めていた。それなりに楽しい毎日を送っていたが、チビで小太りな容姿も顧みず、父の遺言通り美女の尻ばかり追いかけては、振らるのを繰り返していた。

そんな彼に会社の同僚は

「外見だけで女性を選ぶのがあなたの欠点だ!」

と指摘されても、何食わぬ顔で気にも留めなかった。

そんなある日。彼はテレビで有名なメンタルコーチのアンソニーと会社のエレベーターで一緒になる。そしてそのエレベーターが偶然故障して二人は閉じ込められてしまうのだ。ハルは
女性のことについてアンソニーに相談する。話を聞く内に彼はハルの女性を見る目に問題があると感じる。彼は言葉で説明するがハルは遺言に縛られて納得できない。そこで彼はハルに
、女性の心の美しさのみが見えるようになる催眠術をかけるのだった。

エレベーターが復旧しビルから出る二人。そこでアンソニーは、タクシー乗り場ですごい美女と出会う。彼女とハルをタクシーにハルを同乗させてくれる。ハルは彼女の容姿を褒めちぎ
るが、タクシーの運転手には、彼女がブスにしか見えなかったのである。

その晩、いつものように親友マウリシオとクラブへと繰り出したハルは、盲人を救う会の仲間と来たという女性に声をかけられる。その仲間の女性も美人ぞろいで、ハルはハイテンショ
ンで踊りまくる。しかし、マウリシオの目にはその女性たちがひどいブスの集団にしか見えない。そうハルは催眠術で内面が美しい女性の外見も美しく見えるようになってるのだ。
そんなハルの不可解な行動に、マウリシオは慌ててハルを連れて無理やりクラブを飛び出す。ハルは、マウリシオの行動に腹を立てたのだった。

< 人生を変える出会い >

翌日、ハルは街で見かけた女性に一目ぼれするのだ。ハルは思わず彼女の後を追いかけ、彼女のスタイルを褒めちぎる。彼女には嫌味とした受け取れない。だって彼女の体重は136キ
ロだから!彼女はしつこい彼を追い払おうとする。しかし彼が本心で言ってることに気付きファーストフード店へ入って話をすることになった。

彼女の名前はローズマリー。今は街の小児病院でボランティアをしていた。以前は平和部隊でもボランティア活動をしていたと聞き、

「美人なのに心も美しい」

と感動する。そう実際の彼女の姿ではなくスタイル抜群のモデルのような美人に見えていたからである。相撲取りのような体系の彼女は店のイスを壊してしまう。周りのお客たちはそん
な二人を不思議そうに見つめる。ハルは彼女に恋をして、次のデートの約束を取り付ける。

ハルはさっそくマウリシオにローズマリーを紹介すが、マウリシオは巨体のロージーを見て言葉を失う。勿論ハルはご機嫌だった。

ローズマリーは徐々にハルの人間性を信用し、自分がボランティアをしている小児病院へ彼を連れていく。ハルにとってはみんな可愛らしい子供たちで、当たり前のように一緒に遊んで
やったりして子供たちの人気者となる。ロージーは、ハルの優しさに惹かれていく。

ハルは自然な成り行きでローズマリーを自宅に誘うが、まともな恋愛経験のない彼女は

「こういうことに慣れていない」

と打ち明けるのだ。ハルには理解できなかったが、彼女は自分の容姿に強いコンプレックスを持っていた。

決心したローズマリーは翌日ハルの自宅を訪ねる。ちょうどマウリシオが来ていたので、ハルは彼女を外へ連れ出し、初めてのキスをする。その後も2人は公園やプールでデートを楽しみ
、深く愛し合うようになっていく。

ローズマリーはハルを自宅に招き、両親に紹介する。
なんと偶然にもローズマリーの父親は、ハルが努める会社の社長だった。

しかし社長は、愛する娘に対するハルの態度に疑いを抱いており、ふざけた芝居をやめるよう注意する。しかしハルは社長がローズマリーの容姿に問題があると思っているのを知ると、
逆に理想が高すぎると社長に説教するのだった。

< 幸せの絶頂 >

二人はめでたく結ばれることになり、今まで以上にラブラブな時を過ごしていた。そんなハルに社長はより一層信頼され、出世のチャンスも手に入れる。仕事もプライベートも順調その
もののハルは、幸せの絶頂にいるかのようだった。

ハルの昇進祝いをしようとしていた同僚は、彼にローズマリーを紹介され、ハルのことを見損なう。現実のローズマリーが見える同僚たちには、ハルが出世目当てで社長の巨漢の娘に近
づいたのだと思い込むのだった。

マウリシオも当然同じことを思っていたので

「父親が社長じゃなければ、あんなマンモスを相手にしないだろう」

と言って、彼を怒らせてしまう。

ローズマリーと郊外のペンションを訪れたハルは、そこで、ラルフという男性を紹介される。ロージーとラルフは平和部隊で知り合い、少しだけ付き合っていた事を聞かされる。ハルに
はラルフがとてもハンサムに見えるので、嫉妬心を煽られることになる。

ハルの変化に納得のいかないマウリシオは、その原因を作ったアンソニーを探し出し、ハルに何をしたのか問いただす。アンソニーはハルの変化を喜ぶが、マウリシオは、ブスに夢中の
ハルが哀れだと思っていたので、

「彼は仕事も失いそうだ」

と嘘をつき、催眠術から目覚める呪文を教えてもらう。

急いで彼はハルに電話をかける。2人はレストランで食事をしていた。そして電話に出るハル。

「上っ面ハル、目は節穴」

彼が呪文を唱えると先ほどまで美人に見えて居たウエイトレスはニューハーフで、一緒に食事をしているはずの彼女の席に座って居るのは、見たこともない巨体の女性に変わっていた。

恐ろしくなったハルは、何が起きたかわからないローズマリーを残して店を後にするのだった。

< 本当の愛を取り戻すとき >

家に戻ったハルはマウリシオから事情を説明される。全て事の成り行きがわかったハルは、

「あのままで幸せだったのに!」

とマウリシオを責める。

やっとハルの気持ちを理解したマウリシオ。そして2人は現実のローズマリーを見る前に、再び催眠術をかけてもらうのが最善の策だと考える。そして心配してハルを追ってきたローズ
マリーを無残にも追い返す。今のハルには現実のロージーを見る勇気がなかったのだ。

ハルは必死になってアンソニーを探すがなかなか見つけることができない。ローズマリーを避け続ける日々が何日も過ぎる。そして社長からも苦言を呈され、ハルはどんどん追い詰めら
れていく。ローズマリーは、急によそよそしくなったハルの態度に深く傷ついていた。

そんな時、向かいの部屋の女性に誘われ、レストランで食事をすることになったハル。そして彼女に誘惑される。しかしハルはやはりローズマリーを愛しており、その誘惑を断ち切るの
だが、運悪くその場面を偶然同じレストランに食事に来ていたローズマリーに目撃されるのであった。そしてローズマリーとすれ違ってもハルは彼女のことがわからず、無意識に彼女を
無視してしまう。そんなこと何も知らないハルは、ローズマリーの愛を確信し、愚かにも彼女に電話をかけるが、ローズマリーに

「あなた頭がおかしいの!?」

と言われ切られてしまう。彼女と連絡が取れないまま5日が過ぎる。

そして社長に

「ローズマリーはラルフと復縁し、平和部隊に再入隊してキリバスに行く。もう娘には構うな!」

と怒鳴られる。

失意のどん底に突き落とされたローズマリーはかねてからの思いを決断をしていたのだ。

ハルはそれを聞かされると、彼女を取り戻したくて、以前訪れた小児病院へ探しに向かう。そこでハルは、以前会った子供たちが、やけど専門病棟の子供たちだったことを知る。ハルは
、顔中にひどい火傷を負った女の子を抱きしめ、自分の愚かさを気付き悔やむ。

ハルは平和部隊本部を訪れ、ラルフとロージーが復縁したという話は社長の嘘だったことを知り、今まさに彼女の自宅でキリバス行きの壮行会が行われていることを教えてくれる。
その足でローズマリーの自宅へ向かい、壮行会へ乱入する。そこで初めて現実のローズマリーを見たハルは、彼女を心から美しいと感じる。そして傷つけたことを謝罪し、改めて愛を告
白する。

ローズマリーと一緒にキリバスへ行く事を決意していたハルは、平和部隊の正式な隊員になっていた。

ロージーは涙を流して喜び、2人は熱いキスを交わす。

そしてみんなに祝福され、仲良くキリバスへと旅立っていくのだった。