【1/26】第22回OJAS映画上映会 今月の作品は『歌え!ロレッタ愛のために』

Queenボヘミアン・ラプソディの大ヒットを祝って、音楽伝記映画の名作をご紹介。

『歌え!ロレッタ愛のために』

1980年 アメリカ映画
監督 : マイケル・アプテッド
脚本 : トム・リックマン
原案 : ロレッタ・リンジョージ・ヴェクシー
音楽 : オウエン・ブラッドリー
撮影 : ラルフ・D・ボード
編集 : アーサー・シュミット

出演:ロレッタ・リン(シシー・スペイセク)/ドゥーリトル・“ムーニー”・リン(トミー・リー・ジョーンズ)/パッツィ・クライン(ビヴァリー・ダンジェロ)/テッド・ウェブ(レヴォン・ヘルム)/クララ・ウェブ(フィリス・ボーエンズ)/アーネスト・タブ(アーネスト・タブ本人)

1/26(土)開演19:00 入場無料!(5分前にはご来場ください)

開場:ヨガオージャス武蔵小杉スタジオ

食べ物飲み物持込OK! 会員様以外もOK!
お友達やご家族もご一緒に楽しみましょう!!!
オージャス初めての方もお申込み可能です。

僕は高校生の3年間焼き鳥屋さんでバイトをしていた。音楽の甲子園に九州代表として中野サンプラザのステージに立ったけど、今みたいに居酒屋甲子園があったら間違いなく史上最年少の焼き鳥調理部門でグランプリを取っていただろう。なんせ基本的に焼き鳥を焼いてる高校生なんて全国でもそうはいないから!(笑)

前置きが長くなりましたが、その焼き鳥屋の大将に、沢山のロックの名盤を聴かせて貰って、演奏の指導を受けロックを叩き込まれた(他にも色々教えてもらったけど)そのレコードの中にはQueenもあった。そしてフレディが亡くなってまもなく30年経過しようとした去年に公開された映画は、鬼門とされるロックバンドの伝記映画としては、異例の大ヒットを収め今もその記録を伸ばしている。

このジャンルの代表的な作品と言えば『シド・アンド・ナンシー』とか『ドアーズ』とか『チャーリー・パーカーのバード』だったり・・・

偉大なミュージシャンの数だけ作品はあるけれど、映画自体が素晴らしいはそう多くない。そこで今回ご紹介する作品は『歌え!ロレッタ愛のために』です。

「彼女は結婚指輪を望んだ。しかし、彼はギターを贈った。それから二人の新しい人生がはじまった」

カントリーの女王ロレッタは日本で言うと美空ひばり。しかしその人生は半端ないです。13歳で結婚して18歳で4人の子持ちになって、21歳の結婚記念日に夫からギターをプレゼントされます。今まで歌ったこともないのに、ギターを独学で学び、子育ての悩みや夫婦の愛の葛藤などを歌って、それがラジオで流れてヒットしてそして伝説的大スターになるんですよ。平凡どころじゃない主婦のこんなシンデレラストーリーありますか?そして何よりこの映画は夫婦の愛(素晴らしい夫です。見習いたい!)について描かれた名作です。

はっきり言ってボヘミアンラプソティは良い映画でしょうが、フレディの人生にそんなに共感できる部分多くないと思うんですよね。(批判はしてませんよ!)兎に角ボヘミアンラプソティ観て感動したと言う皆さま『歌え!ロレッタ愛のために』100倍感動的な物語です。

これを観ずに死ねるか!


日本では缶コーヒーのCMでお馴染みの若き日のトミー・リー・ジョーンズ。いつも優しい夫を好演。

アカデミー主演女優賞に6度ノミネートされた偉大な女優。有名なところではキャリーの血だらけの女の子です。
13歳~30代のロレッタを当時30歳だったシシーは少女に見えるように9キロの減量したり、朝から晩までロレッタのレコードを聴き続けたり、本人と1ヶ月共同生活して、癖や話し方を吸収したり、とにかくこの役を演じるに辺り最大限の準備で臨んだ。

以下は
【あらすじ】※ネタバレ注意!

炭鉱夫の娘として産まれて

テネシー州とケンタッキー州にまたがるアパラチア山脈沿いの炭鉱町。ブッチャー・ホラー。
そこに赤いジープを乗り回した青年が現れる。彼の名はドゥーリトル。軍を除隊し故郷に帰って来たのでした。彼は炭鉱に着くなり、ジープで丘の上まで登れるか炭鉱夫に対して賭けを申し出たのでした。彼は炭鉱夫のテッドに言葉遣いを注意されます。そして言葉遣いを改めると、賭けが始まりました。みんながが固唾を呑んで見守る中、ジープは丘の上に到達します。テッドの娘である13歳のロレッタは軍服姿の彼に憧れにも似た感情を抱きます。

ロレッタの父テッドは妻のクララとの間に彼女を含めて8人の子供に囲まれ、貧しいながらも幸福な生活を送っていました。

ある日の教会のバザーで、ロレッタが焼いたパイが競売に出されます。そのパイをドゥーリトルが落札します。彼もロレッタに恋心を抱いていたのでした。

翌日ジープに乗ったドゥーリトルはロレッタをドライブに誘います。ロレッタがデートから帰ると家族全員が帰りを待ちわびてました。

テッドは「皆を死ぬほど心配させた」と言うとロレッタを叩きます。母クララもドゥーリトルに良い印象を持ってませんでした。

毎日のように彼女を誘い出し、2人の仲は急速に発展して行きます。土曜の夜にロレッタの家ではラジオからグランド・オール・オプリのカントリー・ミュージックが流れ、クララがダンスをしていると、ドゥーリトルが訪ねてきます。彼はロレッタに明日、結婚式をあげようと提案します。父と母は大反対しますが、愛する二人を止められないと悟ったデッドは

「ロレッタを殴らないこと、ロレッタと遠くの町で暮らさないこと」

と約束させ結婚を承諾します。

ドゥーリトルとロレッタは町の教会でささやかな結婚式を挙げます。

ドゥーリトルは新しい生活を切り開くために、一人で町を出てワシントン州の材木を伐採する仕事に就ます。その時ロレッタはすでに妊娠していました。
仕事が軌道に乗るとドゥーリトルはロレッタを呼び寄せます。テッドは愛する娘を抱きしめ何も言わずロレッタを汽車に乗せるのでした。
ロレッタは生まれ育った炭鉱町を去って行きます。

母親になったロレッタ

故郷の炭鉱町を去って6年の月日が流れました。二人は4人の子供に恵まれ、貧しいながらも幸せな生活を送っています。
6回目の結婚記念日に、ドゥーリトルはプレゼント出来なかった結婚指輪を買いに質屋に行きます。しかしドゥーリトルは結婚指輪ではなく、ギターを買うのでした。
彼はロレッタが子供達に歌を歌って聞かせるのが大好きなのでした。だから彼女にギターを弾かせたいと考えていました。
しかしロレッタは期待していた結婚指輪の代わりに、弾けもしないギターをプレゼントさて不満でした。しかし独学で練習を重ねてギターを弾いて歌うようになると、自分で曲もつくるようになりました。

見出された才能

やがてロレッタの才能にドゥーリトルは気付きます。そして引っ込み思案な彼女を町の酒場で歌わせるのです。
彼女の場末の酒場でのささやかなデビューは好評で、気をよくしたドゥーリトルは地元のラジオ局に、ロレッタの写真入りのシングル盤を配布します。

その頃、故郷の炭鉱町から父のテッドが亡くなったとの知らせが届きます。ドゥーリトルとロレッタは急いで帰郷します。
父の墓前で約束を破り、遠く離れた土地で暮らす親不孝を思い涙にくれるのでした。

ドゥーリトルとロレッタは子供達を母のクララに預けると、暗い気持ちを切り替えなけなしの金を叩いて、沢山のラジオ局にロレッタの歌の売り込みます。なかなか結果のでなくて途方に暮れている二人に、嬉しい知らせが舞い込みます。なんとロレッタの歌が全米チャートの14位にランキングされのです。
2人はそれまでヒット・チャートがどんなものかも知らずにラジオ局に売り込みをしていたのでした。

この成功によって、大手レーベル『デッカレコード』との契約に漕ぎつけます。

さらに幸運は続き、カントリーの聖地ナッシュヴィルで開かれるグランド・オール・オプリに大物歌手アーネスト・ダブの紹介を受け大舞台に立つのでした。

成功と孤独、そして家族の愛に支えられて本当のスターへ

ロレッタはグランド・オール・オプリの常連の歌手になります。アイム・ア・ホンキー・トンク・ガールをヒットさせ、ロレッタはカントリー&ウエスタンの女王パッツィー・クラインと友人になります。
パッツィーは地味なロレッタに衣装を与え、化粧などのメーキャップの教育を施します。しかし派手なメイクだったり、どんどん変わっていくロレッタにドゥーリトルはよく思いませんでした。

またドゥーリトルは「妻に食べさせてもらってる」と陰口を叩かれ、からかわれる事もあり、そんなことが重なり2人は今までにない大喧嘩をします。しかしドゥーリトルはロレッタが長い間、欲しがっていた結婚指輪をプレゼントするのです。

そしてある日、親友のパッツィー・クラインが飛行機事故で亡くなります。親友の死を悲しんだロレッタは生まれてきた双子の娘にペギーとパッツィーと名付けます。

パッツィー・クライン亡き後、ロレッタは名実共にカントリー界の女王となり全米ツアーで多忙を極めます。

彼女の成功と反比例するように、ドゥーリトルはショービジネスの世界に居場所を失い、ロレッタのマネージャー役を下りて、テネシー州で牧場を始めます。

ロレッタは成功の傍ら、家族との離れ離れの日々、多忙なスケジュールに疲れて果て肉体的にも精神的にも限界に達していました。。

ある時、ロレッタは巡業先のホールで倒れてます。駆けつけたドゥーリトルに運ばれて会場を去ります。ロレッタは家族の居る牧場で静かな生活をし元気を取り戻していきます。

そして再び舞台に復帰し、ステージで「Coal Miner’s Daughter」を歌うのでした。



こちらは本物のロレッタ