【7/21】第17回OJAS映画上映作品は「悪魔のいけにえ」

夏だ!ホラーだ!全員集合!

今月は・・・

【悪魔のいけにえ】

監督: トビー・フーパー
脚本: キム・ヘンケル
撮影: ダニエル・パール
音楽: ウェイン・ベル
(アメリカ、1974年、83分)

サリー・ハーデスティ/マリリン・バーンズ

ジェリー /アレン・ダンジガー

フランクリン /ポール・A・パーテイン

カーク /ウィリアム・ヴェイル

パム /テリー・マクミン

ヒッチハイカー /エドウィン・ニール

コック(父親) /ジム・シードウ

レザーフェイス /ガンナー・ハンセン

7/21(土)開演19:00 入場無料!
(5分前にはご来場ください)

開場:ヨガオージャス武蔵小杉スタジオ

食べ物飲み物持込OK! 会員様以外もOK!
お友達やご家族もご一緒に楽しみましょう!!!
オージャス初めての方もお申込み可能です。

ホラーというジャンルの作品をそんなに沢山観てませんが、一通り代表的な作品は抑えなきゃと、20年前の俳優座で観たリバイバル上映が初体験。

とにかく今まで観たホラー映画が子供だましに思える位に怖かった。
例えば本当に美味しい食べ物を前にして『うまい!』という感想しか出てこないように、この場合はたった一言『怖い!』

これが当時は民放のゴールデンで堂々と放映されてたかと思うと今では想像できない!
でもこんなにショッキングで恐ろしい映画にも関わらず、直接的なゴアシーンがある訳じゃないんですよ。それでこんなに怖いってのは、効果音だけでBGMを使わない極めてドキュメンタリータッチのリアルな演出だからこそ、観る者の想像力を最大限に膨らませたのでしょう。

僕の少年時代、ホラー映画が放映された翌日の教室ではその話題で持ちきりでした。きっとそれは昭和的な日本の風景だったと思います。

やっぱり恐怖ってのは一番シンプルに感情に訴えかけます(節分でチープな鬼に扮した僕を見て、恐怖に泣き叫ぶ娘の動画を公開したらオスカー張りの演技を絶賛されると同時に『なまはげ』が児童虐待とか言われる昨今では炎上間違いなし(笑)

とにかくこの作品、その後のホラー映画の礎となるプロットやシーンやヴィジュアルが満載なんです。オープニングの10分で完全に引き込まれます(「そっち行っちゃ駄目!」って思わず叫びます)

無名で予算の無い若手監督が、その逆境からアイデアとセンスと情熱で成功を収めたお手本のような作品。一見すると低俗なホラー映画というジャンルを芸術的域にまで高めた功績が認められ、マスタフィルムがニューヨーク近代美術館に永久保存されています。

広大でのどかな風景が一気に逆転し、安全だと思われた日常がいとも簡単に崩れ去る現象、・・・とても1人では観れません。

熱帯夜の週末にみんなで絶叫しながら楽しみましょう。

これを観ずに死ねるか!

以下は
【あらすじ】※ネタバレ注意!



映画史に残るシーン。何故か美しい


エロチックな描写はホラー映画に欠かせません!


この顔サイコーに不気味です。キモッ!


可愛い娘ちゃんが悶絶する表情。これもまたホラーの鉄板!

【偶然のであい】

1973年8月18日アメリカ・テキサス州
その日の未明、市民からの通報で墓地が荒らされていることが判明した。通報を受けて駆け付けた郡警本部の保安官が発見したのは、バラバラにされ、組みたて直された「死体のモニュメント」グロテスクな芸術作品でした。
墓地周辺の溝にも遺体があり、捜査の結果、消えた死体は12体以上にものぼり、頭部や手足が切られた遺体がある一方で、無傷のまま残されたものもありました。
墓荒らしは続発しており、住民たちは身内の遺体を守るために、結集しているという情報も入りました。しかし依然として容疑者のめどは立っていません。

事件が起きている町に5人の若者が車でやってきました。彼らの目的は身内の遺体が荒らされていないか確認することと祖父の家の確認のためです。

サリーとその兄の車椅子に乗ったフランクリン。カークとその恋人パム。そして車を運転するのはサリーの恋人ジェリー。

墓参りに行き、無事祖父の墓が荒らされていないことを確認した5人は、続いて祖父の家を目指します。その道の途中ヒッチハイカーの若者を見つけ車に乗せます。その男はフランクリンと屠殺所の話をすると、サリーが持っていた小さなナイフに反応し、いきなり自分の左の手の平を切り始め、流れる血を見つめて笑っています。
みんなは驚き緊張が走ります。さらにヒッチハイカーはソックスに忍ばせたカミソリを見せて「よく切れるぜ」と話します。

そして困惑している5人をポラロイドで撮影すると、家まで送ってくれと言い出し、写真代を要求します。フランクリンが拒否すると、ヒッチハイカーはその場で火薬を出して写真の上に乗せ燃やしました。制止しようとするフランクリンの腕を、ヒッチハイカーは切りつけます。そしてヒッチハイカーを車の外に追い出しました。

【鮮血のはじまり】

社外に放り出されたヒッチハイカーは手で車を叩きますが、車は立ち去ります。(血痕のアップ)

その後5人はガソリンスタンドに立ち寄りましたが「夕方か明朝にしかガソリン届かない」と老店主に言われます。店主は5人に「バーベキューもあるからガソリンが来るまでここに留まって時間を潰せ」と、執拗に勧められましたが、その申し出をフランクリンの祖父の家に行きました。

祖父の家は廃屋で、人の手は入っておらず、庭は雑草が生え放題でした。サリーもフランクリンも幼い頃に来たことはありますが、最近は足が遠のいていました。家に着くと、車椅子のフランクリンをほったらかして、4人は家の中を捜索することに夢中でした。
カークとパムは1階のリビングに不思議な四角い置物を発見しました。何かの骨で作られているようですが、気に留めることはありません。

川のそばまで歩いてきた2人は、そばに民家があるのを見つけました。納屋で発電機を見つけたカークとパムは、ガソリンがあると思い、うまく交渉して分けてもらえたらと思いその家を尋ねます。
母屋の方へ移動し、白い扉をノックします。しかし声をかけても応答はありませんでした。
ポーチの横で人間の歯のようなものを見つけたカークは、パムにそれを渡します。パムは受け取ったものの、不気味なので投げ出しました。
その後も何度か声をかけたのですが、同じく家からは応答がありません。そして玄関の突きあたりに、赤い壁の部屋があるのを見つけたカークは気になって部屋に入ります。そしてその瞬間人間の皮をかぶった男(レザーフェイス)に斧で襲われます。レザーフェイスはカークの頭部を斧で殴ると、部屋にカークを引き入れてドアを閉めました。

その頃、退屈したパムは建物の左手に回り、にわとりの羽が舞う部屋に入ります。そこには、おびただしい量の骨がありました。部屋にはにわとりが1羽、宙にケージでぶらさげられています。ケージはにわとりよりもひと回り大きいだけなので、にわとりはろくに身動きできません。パムは床一面に散らばったものが骨が人間のものだと理解するまで少し時間がかかりました。

【ソーヤー家】

パムはガイコツで飾られたソファとぶらさがった頭蓋骨を見つけたその瞬間、レザーフェイスに巨大フックで生きたまま引っ掛けられます。そしてカークが吊られているのを知るのでした。
レザーフェイスはチェーンソーを持ち、パムの目の前でカークの腹部を切断、パムは悲鳴を上げます。そしてパムも同じ運命を辿ります。
2人のそんな状況を知らない3人は、いつまで待っても戻って二人を心配してジェリーが探しに行くことになります。サリーは、フランクリンがないと言っていた小型ナイフを探します。フランクリンはまだ昼間のヒッチハイカーのことを気にしています。車に残った血痕を見つめ「あの男が殺しにこないだろうか」と心配して呟きます。

ジェリーは白い家を見つけます。ドアをノックしましたが、応答はありません。しかし中から小さな物音がするので、カークかパムがいると思い込んだジェリーは、家の中に入って行きます。冷蔵庫を見つけたジェリーが扉を開けると、パムの上半身が飛び出してきました。そしてその瞬間、レザーフェイスがジェリーを背後から襲い斧で頭部を割ります。ジェリーを殺した後、レザーフェイスは再びパムを冷蔵庫に押し込みました。そしてレザーフェイスは頭を抱えて絶叫するのです。

日没を迎えても3人は帰って来ません。フランクリンとサリーはクラクションを何度も鳴らしました。フランクリンはさっきのガソリンスタンドに助けを求めようと提案しました。しかしサリーはどうしても恋人のジェリーが心配で車を降りて車椅子を押して納屋の間の道を歩き始めます。あたりに家も無く真っ暗なこの場所では懐中電灯のあかりだけでは、前方が見えにくい状態でした。そして真正面からいきなりレザーフェイスが現れフランクリンを斧で襲います。フランクリンは即死し、サリーは死に物狂いで逃げます。そして白い家を見つけ2階に登って行きます。
2階にはミイラ化した男女の姿がありました。サリーは気付きませんが祖父の方は生きていました。2階から飛び降りたサリーは走って逃げ、一目散にガソリンスタンドに駆け込みました。そして店主に助けを乞います。
サリーは警察への通報を頼みましたが、店主は雑貨店に電話がないと言い一旦サリーを残し店を出て行きました。

【脱出】

白いトラックに乗って現れた店主は「協力してほしい」と言いながらロープを持ってきます。身の危険を感じたサリーはナイフで応戦しようとしますが、店主にホウキで容赦なく叩かれ気絶しました。店主はサリーを縛り穀物袋をかぶせ車に乗せました。
なんとそのスタンドの店主はレザーフェイスと同じ殺人一家の父親だったのです。そして墓を荒らした犯人でもあります。彼らは人肉を食べて暮らしていました。そしてヒッチハイカーも同じ家族でした。父は戻って来た息子に「墓場に近づくなと言っただろう」と戒め荷台に乗せます。

家に連れて行かれたサリーは、椅子に拘束され穀物袋を外されます。サリーはそこで異様な光景を目撃します。
2階のミイラ化してると思われた祖父は生きています。祖母は完全にミイラ化しているようです。ヒッチハイカーの弟がレザーフェイスでした。

父、ヒッチハイカー、レザーフェイスはサリーの人差し指を切ると、祖父に血を吸わせました。サリーは恐怖のあまり気絶します。そして意識を取り戻したサリーは、自分が食卓を囲むひとりに加えられていると知り絶叫します。
食卓の電灯にも人の顔の皮がかぶせられ、サリーを拘束してる椅子のひじかけには人間の腕がつけられています。食事が終わるとサリーはたらいの前に移動させられ、祖父にハンマーで殴られかけます。レザーフェイスは祖父の手にハンマーを握らせますが、衰弱した祖父は握れずに何度もハンマーを落としました。それを見て興奮したヒッチハイカーは自分がハンマー係をしたがり、サリーの手を離します。その瞬間サリーは窓ガラスに体当たりして逃げ出します。外はうっすら明るくなっていました。

サリー命がけで走ります。ナイフを持ったヒッチハイカーがあとを追います。そしてそのうしろをチェーンソーを抱えたレザーフェイスが追っています。
ナイフで背中を切りつけられながらも必死で逃げるサリー。そして道路に出たところでヒッチハイカーは走ってきた大型トラックに轢かれます。
しかしまだレッザーフェイスが追って来ます。運転手はサリーを助けて車に乗せますが、追いついたへレザーフェイスがトラックをチェーンソーで傷つけ始めました。サリーと運転手は反対側から車を降り、運転手はレザーフェイスに工具を投げ付けます。レザーフェイスは倒れチェーンソーが自分の右太ももを傷つけます。
そしてそこにやって来た小型トラックの荷台にようやくサリーは乗り込んで逃亡しました。

サリーは狂ったように叫び続け、その声はやがて笑い声へと変わっていきます。

サリーに逃げられたレザーフェイスは、朝日に照らされながらチェーンソーを振り回してるのでした。

【撮影裏話】

撮影で使用されたいくつかの骸骨は本物だったそうです(どこから入手したやら)またヒロインが指をナイフで切られるシーンでも本当に彼女は指を切って血が出てしまったそうです。
故意か偶然かはわかりませんが、フィクションに絶妙に織り込まれた演出は、さ・す・が・・・

レザーフェイスが登場するシーンまでは他のキャストは彼と会うことが許されなかったらしく、映画とわかっていてもはじめて図体の大きいレザーフェイスを目の当たりにしたキャストたちは恐怖を覚えたはず!

ストーリーの中で屠殺場が出てきたり、家族が人肉を売っていたりと「肉」がひとつのテーマになっていることが分かりますが、トビー・フーパー監督が過去にベジタリアンだったことはこの作品に込められたメタファーと言えます。ベジタリアンの目線から言えば「動物を殺して肉を食べる残酷な人たち」肉食をする人間のイメージを極端に膨らませると、レザーフェイス一家の行動と重なって見える瞬間もあるのです。そんな皮肉が込めて描かれていることも分かりますね。

【おまけのオススメ】

あと1本、比較的新しく、しかも日本映画で、『悪魔のいけにえ』に次ぐ強烈な印象を残した作品がこちら

でんでんの演技はトラウマ間違いなし!

冷たい熱帯魚Cold Fish

2010年日本映画 上映時間:146分

監督:園子温

脚本:園子温/高橋ヨシキ

出演者 吹越満/でんでん/黒沢あすか/神楽坂恵/梶原ひかり