【9/29】第18回OJAS映画上映会 今月の作品は『ベティ・ブルー 愛と激情の日々(37°2 le matin)』  

過ぎ去りし幾つもの夏に想いを馳せながら
失ったものと⼿に⼊れたものについて考える

『ベティ・ブルー ~ 愛と激情の日々 37-2 Le Matin ~』

監督:ジャン=ジャック・ベネックス
脚本:フィリップ・ジャン
音楽:ガブリエル・ヤレド
撮影:ジャン=フランソワ・ロバン
1986年 フランス映画 上映時間120分
出演: ベアトリス・ダル/ジャン=ユーグ・アングラード/ジェラール・ダルモン/コンスエロ・デ・ハヴィランド

9/29(土)開演19:00 入場無料!(5分前にはご来場ください)

開場:ヨガオージャス武蔵小杉スタジオ

食べ物飲み物持込OK! 会員様以外もOK!
お友達やご家族もご一緒に楽しみましょう!!!
オージャス初めての方もお申込み可能です。

この映画を観たことがない⼈も、このポスターを⾒たことはあるはず。それは20代の若い⼦達だって例外じゃないでしょう。この映画はレコードに例えるならピストルズの『勝⼿にしやがれ!! 』みたいに若さが直感的に求めずにはいられない、そんな映画なんです。

愛だけに全てを捧げて⽣きるベティ。そんなベティに無償の愛を捧げるゾルグこの作品はどちらかと⾔えば⼥性ファンの⽅が多いかもしれません。それはベティに共感できなくても、或いは嫌悪を感じどんなに抗っても、その奥に隠れている感情に嘘をつくことが出来ない。
そして全てを受け⼊れてくれるゾルグの優しさ、そんな⼆⼈の関係に⼀種の憧れを抱くのではないかと思います。男だってそんな⼥性を畏れながらも⽇常を⾶び越えたくなる衝動に駆られるし、ゾルグの様に愛せる勇
気を⼿にできればと願ったりもします。
しかしベティは⾮常識とか⾃分勝⼿とか我儘とかそんなレベルを超越しています。映画だと理解しても観てて腹が⽴ちます(笑)だって誰しも沢⼭の物を背負って⽣活してるんですから迷惑です。今の年齢で観たらちっとも⼊り込めないんじゃないかという不安も感じます(でも安⼼してください。表に出ないだけでみんなの⼼の中の青春の炎は消えることはありません!)

「何?そんな愛が⾧く続く訳がない?物語のなかだけ?」そんなことは100も承知。
だけど永遠は瞬間で感じるものなんだぜ!
この映画を難しい⾔葉を並べて批評するのは空虚に思えるから最後はこの詩で

⾒付かつた、何が、永遠が、海と溶け合う太陽が

これを観ずに死ねるか!

以下は
【あらすじ】※ネタバレ注意!



私生活もベティ以上に破天荒なベアトリス!水原希子に似てます

 

 

フランス優男代表!この手の役を演じさせたら、世界広しと言え右に出るものはなし


とにかく美しい映像の連続。この映画を観たら明日鞄1つで旅に出たくなります。

【出会った二人】

海辺の近くのコテージを間借りし、その家主の雑用やらで日銭を凌いで生活しているゾルグ。そんな彼の元に突然ベティが現れます。
彼女はレストランのウエイトレスとして働いていましたが喧嘩して店を飛び出し、たまたまたどり着いた彼の家に転がり込むのでした。
子猫みたいにワガママで無邪気で、そして時として天使のように可愛らしいベティ。二人は瞬く間に恋に落ちて愛し合います。そして二人は昼も夜も愛し合って離れようとしませんから、ゾルグの仕事はおろそかになるのは必然です。そんな状況を見かねて雇い主でもある家主が現れて、ベティは仕事の妨げになると言ってきます。

家主は一緒に住むことに目をつぶる代わりに、周りの家全てをペンキで塗るように言ってきます。勿論ベティも一緒手伝うべきとも言ってきます。
何も知らないベティは楽しみながら外の壁を塗っていきます。雇い主が現れて、ベティは詳しい仕事の内容を知ります。

家全部を塗ることを聞いたベティはそれに対して激怒します。仕舞には雇い主の車にペンキをかけます。

加えてベティはゾルグは生活の為に我慢しながら生きているその姿が気に食わず、いつものように癇癪を起し家にある荷物を窓から放り出します。動揺しながらも呆れるゾルグそして最後には家に火を点けたのです。もう怒りを通り越し可笑しくなるゾルグ。二人は必要な物だけまとめその場を去り、ベティの親友の住むパリに行こうと提案するのでした。

【パリでの生活】

二人は友人の家に身を寄せます。ベティの親友のリザは、家を修理してくれるなら無料で住んでいいと提案してくれました。
ゾルグはパリで仕事も見つけることができました。束の間の平穏な時間が流れます。

ある時彼女はたまたまゾルグの書いた小説を見つけ、それを読んで感動し、修理工より作家を目指すべきと言うのです。ベティはゾルグの小説をタイプライターで打ち込む作業に没頭します。そして打ち終えると、パリにある出版社全てに送る事にしました。

リザが恋人のエディを連れてきます。4人は仲良くなって、一緒に住み始めます。
エディはゾルグとベティに自分のレストランの店で働かないか?と誘います。二人は喜んでそれに応えました。

レストランで働く二人。しかしある日、態度が横柄な客に我慢できず激高したベティは、そのお客をフォークで刺してしまうのです。
エディは翌日彼女は病気か?とゾルグに尋ねます。ベティの不安定さや軌道を逸した行為は日増しにひどくなっていきます。

ゾルグの小説の結果をベティは待っていました。彼女は頑なにゾルグが才能ある作家だと信じているのです。
出版社から知らせがきて、ゾルグは散々な結果だったのをエディに話します。はじめベティには内緒にしていましたが、ベティに結果を知らせることにします。

次の日、避妊リングの検査に行くといったベティにゾルグがついて行くと、そこはなんと出版社の編集者の家でした。
激怒したベティは、自分を抑えきれず編集者に怪我をさせます。ゾルグが何とかして連れて帰ります。

その夜4人はいつものように楽しく飲んでいました。しかし、エディの母が亡くなった知らせが届きます。そして4人はエディの故郷に向かうことになりました。

【妊娠 束の間の幸せな時間】

エディの家はピアノ店でした。ゾルグがピアノを弾いていると、ベティそれに加わり甘いひと時を過ごします。
二人にどこまでも親切なエディは、この店を譲ってやると言うのです。その条件として、母に花を手向けてあげて欲しいと頼みます。

二人はその街で暮らし始めます。しかしベティは亡くなった人のベッドは嫌だと言い出して、ゾルグがそんな彼女のためにソファーを改造しようとしますが失敗し、床で寝ることにします。

「人生の意味がみつかった。君と暮らすことだ」というゾルグに「バカいわないの。あなたは小説を書くのよ。」とあくまでゾルグの才能を信じるベティ。
部屋の壁が邪魔だからとベティの承諾を得て壊し始めるゾルグ。「こんなことしてるのは本当の俺じゃない。本を書いているときの俺とは違う。」というゾルグに「どっちも同じあなたよ。」と言う。

毎日同じことの繰り返しに苛立ち始めるベティは機嫌が悪くなり、荒れだしガラスを拳で割ったり、果ては泣きながら裸足で外に出て行きます。もちろんゾルグは追いかけます。不審に思った警官が何事かと寄ってきますが、ベテラン警官がエディの友達だとわかり事なきを得る二人。

翌日ゾルグはピアノを運ぶトラックが来なくて、友人に車を手配してもらいます。トラックを運転しているとベティから妊娠検査薬で妊娠したかもしれないと言われます。
ゾルグは天にも昇るように喜び車を急ブレーキします。そこに居合わせた警察に止められてしまいます。ゾルグが「俺はパパになるんだ!」と言うと、警官は「この時代に父親になるとは偉大な冒険だ」と言って見逃してもらいます。

【別れ】

ゾルグは、ベティに20歳の誕生日のお祝いをします。広大な土地に案内して、バースデーケーキを車のトランクから取り出して喜ばせます。
ある夜に、ゾルグはベティが睡眠薬を飲んでいる事を知ります。パパになるゾルグは、性別がどちらでも大丈夫な服をプレゼントします。ベティは喜びます。

調子が悪いベティは、ゾルグを置いて一人で寝るようになります。ゾルグは寂しがりますが小説を書き始めます。それでも二人は赤ちゃんを待ち望み幸せな時間を過ごします。

しかしそんな幸せな時間は、ほんの束の間でした。妊娠の結果が陰性だと知ったベティは、物凄いショックを受けます。そして綺麗な髪を無茶苦茶に切って酷い化粧をします。妊娠してなかったことを悲しむ彼女をゾルグは一層優しく愛します。

しかしベティはどんどん壊れていきます。精神的を完全に病んでいくのです。エディ達が遊びに来ても突然ベティは川に飛び込んで上を見上げたままボーッとしています。
そしてゾルグが家を少し留守にします。嫌な予感がして急いで帰るゾルグ。しかしその予感は無残にも現実となります。壁には血が飛び散り、ベティの姿はありません。彼女は自分で片目をえぐり病院に搬送されていました。

入院したベティは正常でないことから、薬漬けにされ、暴れないようにベッドに縛られます。ゾルグが連れて帰ろうとしますが、追い返されてしまいます。

ベティを助け出そうと女装したゾルグは病室に忍び込みます。そして愛するベティを楽にさせるため枕を使って窒息死させます。

ベティの居なくなった一人の部屋でゾルグは小説を書き始めます。出版社から連絡がきて、本が出版されることになっていました。2作目を書いているゾルグは、二人で可愛がっていた白猫と一緒です。どこからかベティの声が聞こえます。