関東地方は殆ど雨らしい雨も降らぬまま、梅雨明け宣言がなされ、7月初旬から連日真夏日の中、僕は今度小学生になる息子のランドセルを探しに都内をバイクで駆け回っていた。(僕が日焼けしてるのは、バカンスではなくそのせいです)
僕を少しでも知ってる人ならば、僕がどんなに面倒くさい男かご存知と思いますが(しかし恐ろしい程に大胆で適当でもあります)母は中学生の僕に「あんたの嫁さんになる人はかわいそか!」と叫んだことがありましたが、そんな母こそが、沢山の面倒くさい事にに根気強く付き合ってくれたのでしょう。
そして息子は見事にそれを引き継いでるような感じがしますが、、、その息子のランドセル、一生に一度のランドセル。僕が悩まない訳がない!そもそもランドセルとは・・・とランドセルの歴史から紐解く次第、その後ランドセル業界の現状と分布図を調査。そして先ずは一番品揃えの多い店で色々質問をしてみようと、伊勢丹新宿へ。それが5月の終わりくらい。噂では一年前に予約しないと買えない。そんな恐怖心を煽るメディア戦略のせいか、7階の催事場は子供を連れた親御さんたちで溢れておりました。お父さん1人で来てるのは僕くらい?という感じですが、改めて陳列棚を見て、本当に【赤と黒】だけじゃない!勿論ランドセルを取り巻く状況は何年も前からそうだという認識はしてましたが、改めて実感した瞬間でした。僕は店員さんに質問します。僕「先ず、どういった種類があって、どういった基準で選ぶのでしょうか?」店員さん「大きく分けて、素材で言えば、合皮で作ったクラリーノ、牛革のもの、コードバン、そしてデザインで選んで頂く形です」
そんな質問をしながらも、心は決まってます。それはコードバンです。この事は始めて知りましたが、一般的にコードバンのランドセルと言われてる物には、被せ部分だけに馬革を使用してる物と、外側総てに馬革を使用してる物があること。元々コードバンで作ってるメーカー自体少なく、しかも総コードバンとなれば、非常に高価になりますから、その中でも僅かとなります。何故にコードバンのランドセルにこだわるのか?と言うと、正に僕自身が使っていたからです。アイビー世代で、ファッションが好きだった父親にとっては、やはり革と言えばコードバンだったのでしょう。二人で選びに行って言われるがままに、決めたのを薄っすらと憶えています。まあ当時は今と違って選択肢がないので、子供がこれがいい!とはなりませんが、今はそうは行きませんので、一緒に選びません(笑)
しかし小学生の僕は、そのコードバンのランドセルがずっと嫌で嫌でたまらなかったのを強烈に憶えています!(笑)だって僕のだけテカテカ光って恥ずかしかったんですもん。だから2学年下の弟の普通のランドセルと交換してやろうとあの手この手で試みましたが、普段は家来のように従順な弟も、当たり前ですが真剣に拒絶し、周りもそれを許しません。なんだかんだ4年生位までそんな感情を抱いていた記憶があります。
しかし不思議なもんで、子供の頃のそんな思い出は、得てして逆に働き、そんな全ての嫌で辛い思い出を、大人になった時に全て楽しい思い出へと変えていっている僕を形成した1つの出来事であるようで、息子が産まれた時から決めていた事でありました。
この続きは来月号!いよいよ東京のランドセル工房を巡る旅へ出発 ランドセルなら僕に聞け!