【2017/6月号】公開謝罪

拝啓、会員番号3476番様。
先日は、第二回オージャス映画上映会にご参加頂き有難う御座います。僕が精一杯集めた、この作品のキャッチフレーズをご覧頂き、期待に胸を膨らませて会員番号3476番様は、1人っきりだったにも関わらず。勇気を持って鑑賞に望んで頂きました。
事前のちょっとした会話の中で、余りこのような映画に対する免疫が無い事を知り、過去にゴダール作品を渋谷で観ていた時に、何かのファッション誌で特集されていたのか、このような映画をとても好むとも思えないギャル二人が「何この映画チョー意味不明!」と嘆いていた状況がフラッシュバックし、勿論その二人とは全然違いますが、いわいる何となく想像してるものと、著しく乖離した結果へと向かってしまうのではないかと、僕は一抹の不安を感じながらも、後戻りすることの出来ないスタートボタンを押しました、、

 

思い起こせば、去る第一回目の日、上映作品である『キングオブコメディー』を意識し、ラスベガスの往年のショーマンさながらの、いでたちで、無声映画の弁士ばりの前口上も準備して皆さんをお待ちしていた僕。しかし待てど暮らせど、誰も来る気配も無く。相棒の卓君と二人、だったらどっちかの家でも良いんじゃない?って思いながら、オッサン二人での映画を楽しみました。
畜生!次回は絶対誰か1人は興味を持つようなセンセーショナルな宣伝文句が似合う作品を上映してやる!と意気込んで、禁じ手とも思える二つの異色作品を候補に挙げました。それが第二回目上映作品『エル・トポ』でした。因みにもう1つが『ピンク・フラミンゴ』これは卓君に止められました(笑)

 

さて、話をその日に戻し、久しぶりに『エル・トポ』の画面を見つめながら、物語が進むにつれ、「やっちまったな!」と取り返しの付かないような後悔に襲われる僕。きっと会員番号3476番様は、僕のそれ以上に後悔と同時に沸き起こる前向きな純粋さで映画を鑑賞なさっていただろうと思います!
僕と卓君、そして会員番号3476番様。この三人がオージャス武蔵小杉という同じ空間で『エル・トポ』観ている構図は、『エル・トポ』以上にアバンギャルドな絵として映った事でしょう。(見たかホドロフスキー!)
しかし皆さん、そんな言い方をすると、まるで『エル・トポ』が観るに値しない作品なのか?という印象を与えてしまってるかもしれませんが、決してそんな事はありません。素晴らしい作品です。でもハリウッド大作等とは似ても似つかない映画文法で描かれていますし、観てる間中ずっと思考の格闘が強いられ続けます。そんな意味では『思考する瞑想としてのヨガ』とも共通するのです。

 

改めまして、会員番号3476番様。この度は僕のちょっとした悪戯心に巻き込んでしまい、誠に申し訳ありませんでした。しかし最後まで御付き合い頂いたその勇気に敬服します!
そして、15年ぶりにこの作品を観る機会を得て、その頃とは全く違った見方で沢山の発見があり充実した時間となりました。今後もめげずに攻めて行きます。
それでは、5月の上映作品は、誰からもケチが付かないような完璧な名作中の名作。フェリーニの『カビリアの夜』を上映させて頂きます。5/27(土)19時開演です。今回は沢山来ますよ~宣伝頑張りましたから。きっと、、、
6月も最終土曜日、幸せになる映画を用意してお待ちしてます。