この度の西日本豪雨により被災された皆様ならびにそのご家族・ご友人の皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
杖立温泉の春の風物詩、3500匹の鯉のぼりが空を泳ぐ。昭和風情が数多く残る入り組んだ路地裏が素晴らしい。1ヶ月居たら名作が書ける様な錯覚に陥るね
子供の頃、梅雨が明けたら学校が終わり、7月の終わりに夏祭りがあって、そこから1ヶ月が、文字通り祭りのあとみたいな気分で夏休みを過ごす。梅雨という子供にとっては、遊びを取り上げられたような日々がしばらく続いてから、楽しい夏が来るというこの季節のあり方が「辛抱した後に良い事があるんだよ」と教えられてるようで、そのような教訓は自然の中から沢山与えられる。
例年の僕ら家族の帰省は、梅雨真っ最中の関東から逃げ出し、既に梅雨明けした福岡で過ごし、そして関東が梅雨が明けた頃に戻ると言うパターンだったけど、去年の夏に関しては仕事の都合でいつもより早い時期に帰省したから、例年とは逆で福岡で梅雨、そして戻って来てからも梅雨!と倍の長さの梅雨を過ごした。たまたま夏祭りに合わせて帰ってるだけなんだけど、なんだか抜け駆けしてるのを戒められてるような気分。でも「ツイテないな」って時だって、そんな状況だからこそ発見できることもあったりして、それはそれで楽しく夏を過ごした。
そう丁度去年の帰省の時が『平成29年7月九州北部豪雨』だった。毎年両親を連れて一泊小旅行に行くのですが、その年は熊本県阿蘇郡小国町にある『杖立温泉』に行った。宿泊したホテルは熊本と大分を跨いで建設されてることでも有名な『ひぜんや』で館内にこっちが『熊本』あっちが『大分』とラインが引かれている。驚くほど安いのに感動するほどの内容で兎に角良かった。
温泉地の路地裏は子供の想像力を広げる意空間の入り口
そして宿泊した2日後に、豪雨によってその温泉街への道路は寸断され立ち入りが出来なくなった。拡大する被害の状況を、同じく雨の降り続く実家のテレビで眺めながら「なんでたかが雨で、ごげん沢山人の亡くなんらさんといけんかね」と父が呟いた。そして更に今年は、たかが雨が想像を絶する量で振り続けると、こんなにも恐ろしい事が起きるという事実を見せ付けられた。子供を捜して土砂を掘り続けるお母さんの映像は辛過ぎで見ることが出来なかった。
そんな被災地の子供達にも、僕の息子にも夏休みはやってくる。小学校はじめての夏休み。親としてもはじめての経験でどのように過ごすのか今の所ピンと来てない。父親の世代とは比べ物にならないくらい子育ての割合を担っていても、やはり母親と比べれば指示待ち的なスタンスなのは否めない。とりあえずは1週間の帰省から戻った後に「これが小学校の夏休みなんだな」と親の視点から語られる、はじめての夏休みが始まる。
僕の小学1年生の夏休みはどんなだっただろう?学童ってものは昔から存在してたんだろうけど、家がお店だったし、祖父母も同居してた僕には当然必要なかったが、通ってた友達の存在も知らない。まわりの誰よりも小さい頃のことを憶えてた筈なのに、いよいよ沢山の思い出が色褪せ朧気になっていく。でもそれは仕方ないことで、自分が築いた家族との新しい思い出と引替えに失われるのだろう。そういえば『岸辺のアルバム』というドラマでは全てが流されていく中たった一つアルバムを取りに行く。思い出とは生きてきた証である。それでは会員の皆さま怪我など無いよう今年も最高の夏の思い出を作ってください。僕からの九州土産もお楽しみに!
地元の大蛇山祭り。最終日に様々な町の大蛇の山車が一同に終結する姿は迫力満点!大蛇の口内へ子供を掲げるかませという儀式は無病息災を願って行われる